アメリカ国内の問題とドル②

1970年代後半には、ドル安と輸入物価の上昇、そしてオイルショックによる影響で、アメリカに深刻なインフレがもたらされました。ここでアメリカはドル高政策に転じるといった、自国のために行動することとなりました。しかし1980年代に入ると、高金利とドル高によってアメリカ国内では投資の動きが鈍くなり、経常赤字と財政赤字に苦しめられることとなります。そこでそれを是正するため、今度は大幅なドル安政策が打たれることになったのです。これによって、日本では円高不況が襲い、輸出企業におって深刻な痛手となってしまいました。さて、1990年代に入ると、アメリカは強いドル政策を打ち出し、世界中からアメリカに投資資金を集中させることを試みるようになり、投資や消費などの内需拡大が行われることとなりました。

2000年代になると、アメリカ発のいわゆるサブプライムショック、リーマンショックといった未曾有の経済危機が立て続けにおこり、世界的に経済が落ち込むきっかけとなりました。そのようななかで発信源であるアメリカは、史上初のゼロ金利政策を行い、量的緩和策に乗り出し、ドル安に誘導していくこととしました。日本や新興国はかなりの影響を受けましたが、アメリカの景気は回復していくこととなりました。

そして近年、金利が上げられたことによって期待が高まり、ヨーロッパ中央銀行の量的緩和によってユーロ安が進み、日本銀行が追加緩和を行ったことで円安も進んだことから、ドル高へと進んでいます。現在、世界のお金はアメリカドルに向かいやすい状況となっているのです。もちろんこの先も、ドル安になったり逆にドル高になったりといった変動は見られていくでしょう。