アメリカドルの強み

例えば「第二の基軸通貨」として登場したユーロがアメリカドルにかわる「第一の基軸通貨」になれるかといえば、現状では難しいでしょう。ギリシャで起こった債務問題、そしてイギリスのEU離脱によって、EU自体の信用が落ち、それに合わせてEUの共通通貨であるユーロの信用にもひびが入ってしまっているというのが現状だからです。また、世界第2位の経済力を誇る中国の人民元も基本的に資本規制がかかっているため、海外で自由に取引できないといった、基軸通貨としての条件はそろっていません。よって、ドルが世界で最も信用力が高い通貨である事実は今後もしばらくは大きく変わらないのではないかとみられています。

また、アメリカドルに信用を与えているのはドルそのものだけでなく、アメリカという国そのものが持っている風潮、またはアメリカに流れている経済の強みもあります。例えば、アメリカにいる投資家たちは、基本的にベンチャービジネスやベンチャー企業といった、アメリカ以外の国の投資家たちは投資を遠慮しがちな投資のリスクが高いとされる企業や個人に対し、非常に前向きであるといわれています。すべての投資家が納得できるような、ありきたりなビジネスはアメリカでは成功できないし、それだけ競争が激しいのだという人もいるくらいです。こうした環境があることによって、新規事業を興したいと考える世界中の起業家たちは、まずアメリカを目指し、アメリカで成功することを夢見ることになります。そしてアメリカだけでなく、世界中にいる投資家たちの資金も、そういった面白いビジネスモデルを考える企業や個人に向けて、世界中からアメリカに投資マネーが集まっていくこととなるのです。