アメリカドルの安全性

例えば近年の例として、アメリカの債務上限問題を例にあげることができます。アメリカ政府は発行する国債残高を法律で決めており、これが上限に達すると国債の発行ができず、債務の返済は困難と言うことになります。債務の返済ができない、つまり債務不履行(デフォルト)に陥ってしまうとその国の信用は落ち、その国の通貨の信用も同様に低下してしまうという恐れがあります。実際に2010年代前半にこの問題がアメリカを襲い、すんでのところでデフォルトは回避されることとなりましたが、回避されただけであって解決されたわけではありません。今後も政治的な問題からこのようなことが起こり、アメリカ国債の格付けが下がり、アメリカ国債が一時的に急落してしまうという恐れには十分配慮しておくべきです。それでもやはり、世界経済を動かすアメリカの力は、アメリカドルに信用を与え続けているともいえます。

戦後の国際通貨制度において、為替相場が大転換するようなケースは、ほとんどアメリカの政策による影響といえることができますが、これは必ずしも日本の立場からすると良いことだらけではありません。アメリカのドル安政策、ドル高政策によって、日本の景気にも大きく影響することは間違いないからです。しかし、それは逆に、外貨としてアメリカドルを持っておくことの意義の証明にもなります。アメリカは自国に良くないことをするはずないのですから、アメリカドルを持っていることは、ドルが基軸通貨として見なされている以上は非常に安全であるといえるのです。逆に、アメリカ経済に左右されやすい日本円を持ち続けることは、それ自体がリスクを帯びているという見方もできるのではないかと思います。