基軸通貨としてのアメリカドル

中長期的な視野に立ち、日本円だけでなく外貨での預金を考えていたとしても、どの外貨にしようか迷ってしまう人は少なくありません。もちろん、外貨預金に関して、外貨選びが最重要となるポイントであることは間違いありません。どういった形で外貨預金による資産運用を考えているのかによって選ぶ外貨は異なりますが、一般的にはやはりアメリカドルが最も安全な外貨の一つとして挙げられます。

ドルの強みは、何といっても現在の世界経済において、最も信用力が高い貨幣であるということです。もちろんアメリカ国内の経済状況によって、ドル高、ドル安といったような為替変動は見られますが、それと関係なく各国の中央銀行は外貨準備としてアメリカドルを最も多く保有していることからもそれが裏付けられます。外貨準備とは、自国通貨が急落してしまったという万が一の場合に、歯止めをかけるために自国通貨を購入するという為替介入に使用するための歯止め用の資金のことです。また、それだけでなく通貨危機などによって、他国に外貨建て債務の返済が困難になった際に使用するための準備資産でもあります。

他国がアメリカドルを信用し、準備のための外貨として最も重宝されているということは、アメリカドルが世界の基軸通貨としての役割を担っているといえます。基軸通貨に明確な定義はないものの、おおむね以下の条件にそうものが基軸通貨として見なされます。それは、世界中で流通している貨幣であること、為替の取引量が多くて流動性が高い貨幣であること、そして貿易決済に用いられることができる貨幣であることの3つです。この3つの条件がそろう貨幣は現在のところ、アメリカドルしか存在していないといえます。